ALL IS ONE,ONE IS ALL FUKUOKA 2009

九州地区大会 2009 in 福岡 レポート

 

【日 時】2009年8月28日(金)〜30日(日)

【場 所】福岡国際会議場メインホール

 

                         拡大広報委員会  津曲 雄

 

【タウンミーティング:講演&タウンミーティング 2910:0012:30

徳育のスゝメ教育再生タウンミーティング

〜 こころ豊かな未来をつくる 能動者たちへ Episode1 〜

 

<講演1>徳育の教科書づくり

 講師:八木秀次 氏(一般財団法人日本教育再生機構理事長)

 

■ある意識調査によれば日本人のマナーが悪化したと答えた人が88%であった。又、同調査で道徳教育の強化について92%が賛成だった。

■昭和33年から『道徳の時間』が創設され、週1時間、年間35時間が実施されているが実態は抽象的、あいまいな教育がなされている。子供達に伝わる筈がない。

■道徳副教材は教科書検定がないため、ソビエト教育学の影響を受けたものや特殊なイデオロギーの団体の主張が教材に入り込んでいる節がある。

■品川区・世田谷区・茨城県は独自の取り組みを行っているが現時点では極少数の動きである。

■JCIは責任世代として道徳教材を作る責任がある。

 

<講演2>こどもが笑顔になる徳育を目指して 

講師:橋本 徹 氏(大阪府知事)

 

■そもそも知事になった目的は教育の改革である。日本の公立の学校に疑問を持っている。しくみ(教育行政)はデタラメな状態。

■いくら高邁な目的を掲げても実現する仕組みを作らなければダメ。国民は動かないことに不満を抱いている。

■権力側から立ってみると『道徳』は怖いツール、『道徳』への権力者(政治家・官僚)の介入仕方によっては非常に恐ろしいことになる。(例えば北朝鮮などでの独裁政治)。ある意味この世の中権力者をバカに出来る世の中であり、それはすごく幸せなこと。

■子供達に対する今の教育がこのままでは5〜10年でアジアの中で競争力を確実に無くす。そんな状態の教育について、責任を取るのは誰かハッキリしない。

■人事権と予算権があるから組織を動かせると言えるが、この人事権と予算権について教育委員会事務局が幅をきかす実態がある。そして責任をうやむやにする行政。

■行政組織は方針に従わせることが困難な組織であると痛感する。普通の営利企業だったら考えられない。

■教員の9割はテスト(全国一斉学力テスト)非公開を望んでいるが、国民の7〜8割は公表を望んでいる。国民の感覚からズレている教育現場の実態。

■諸外国、とりわけアジア諸国の人々と比較してそれなりの報酬を得ている日本人だからこそ、今後もそのような報酬を得続ける為には高い労働付加価値の提供が求められる。そのような価値が提供できる子供達の育成、教育が必要。

■福祉や農業の労働力としてアジア諸国の方々を受け入れて行くような開放政策をとる前提としての『徳育』の必要性がある。即ち日本のアイデンティティの堅持・継続が必要なのである。

■計画を立てない責任者、実行するすべもなく、評価を避ける教員たち、これでどう教育行政を改革せよと言うのか?

■動かない理由、例えば国からの直轄事業負担金制度の見直しについて、同じような事は50年前から首長会でも言われ続けてきたが全く動かなかった。自分が知事になり、なぜなのかを検証したら理由は簡単だった。それは我々の主張を吸い上げる仕組みがなかったから。つまりありたい姿を語るのは良いが実現する仕組みを考えなければどうにもならないということ。

■学校教育を見直す為には地域の人たちが学校教育に入っていく姿が必要。市民も責任とリスクを取る社会であるべき。

 

<タウンミーティング>徳育の教科書つくりと教育再生

ゲスト:橋本 徹 氏、八木秀次 氏

地元代表発表者:菊池裕次 氏(福岡市教育委員会理事)

山口秀範 氏(株式会社寺子屋モデル代表世話役社長)

一般代表質問者:片平幸子 氏(ガールスカウト福岡県支部副支部長)

安松鈴代 氏(知心学舎主宰)

細川 唯 氏(元大分ブロック協議会会長・中津JCOB)

 

■知育・体育・徳育、このバランスが重要。この中で、徳育とは生きるお手本を持つことである。基本は父母がお手本に成るべき(しかし現実は?だから偉人達に学ぶのである)。基本は父母であることを肝に銘じ、そのことに責任を取る覚悟が重要。

■福岡の数校で橋本佐内の『啓発力』に習って『立志式』を実施中。

■ある東北の学校の先生が作られた宮沢賢治の『雨にも負けず』のフレーズで現代の子供たちの育成環境を風刺した詩がある。これを聞いて、まさに『目に見えるものだけを追いかけてきたツケ』を感じる。

■学校を中心にした地域社会の構築が重要。世田谷の和田中学の行った地域を巻き込んだ改革(和田中学では学校が地域の方を集めてプログラムを一緒に作った)は有名だが、これを他のところでやろうとしてもなかなかうまくいかない。なぜか、それは和田中学のような校長が、校長のポストにいないからである。水平展開をする為にはそういった人事も含め工程表を作成して確実に進める必要がある。

■知心学舎では素読(大学・中庸・論語)を実施しているが、心に問題を抱える子供には非常に効果がある。

■道徳は社会秩序の安定装置であることをしっかり考える必要がある。問題は権力側が良いように使って都合のよい価値観を押し付ける『権力崇拝装置』にしないようにしなければならない。つまり、伝える価値を誰が決めるのかということである。その意味で日本全体に一律の価値を押し付けるのは良くない。

■道徳心の高い社員がどれだけ育てられるか?地域の方々に喜ばれる企業へ成長するためのポイントである。

■心に問題のある方々は自己を肯定できない場合が多い。自己肯定感を植え付けることも必要。

■このようなタウンミーティングや会議でいくら論議を行っても実現に向けたアクションがなければ何も始まらない。JCI世代から1人でも多く仕組みを変える側(首長や議員)に参画して欲しい。今までの『政治家』はほとんどが『政治屋』である。だから選挙に落ちたらタダの人なので大変なので、しがらみに翻弄される。しかしJCIの人たちはどうか?例えば4年だけやって本業に変えることができる。徳育の基本は自己犠牲であると思う。その意味で、4年ぐらい社会に奉仕するのも良いのでは?

 

【メインフォーラム:2914:0017:00

20XX年 九州の新しいカタチ

〜 物心両面での豊かさを目指して 〜

 

<フォーラム第1部>九州の新しいカタチ

コーディネーター:江口克彦 氏(PHP総合研究所代表取締役社長)

パネリスト:新浪剛史 氏(ローソン代表取締役兼CEO)

唐池恒二氏(JR九州代表取締役)

中田 宏 氏(横浜市長)

 

<<唐池氏発言要旨>>

■交流が九州の強み。

■アジア子供会議の取り組み(20年継続事業)、アジア太平洋立命館大学(大分に所在、2800人の留学生)等は大変評価できる。

■王監督の存在も心強い

■有名どころの観光地の観光客の8割はアジア系外国人。

■天神と博多での対決というような狭義の競争ではなく、福岡と東京、福岡とアジア各都市、というような競合の捉え方が重要。アジアの中の九州という概念を持つべき。

■九州の発展のカギは『人』。おもてなしは街並みに現れる。例えば、日南飫肥の街並みをご存じだろうか?30年も前に景観の重要性を意識して電線の埋設に着手。建物の建て替えの際は必ず通りから1mバックさせ、その分軒を長くさせる(観光などで行き交う人々が雨宿りや日よけがしやすいように)、等など。こんなことを行政ではなく町内会が内規として作るような取り組みを行っていたのである。又、町を歩いていても子供達の口から『こんにちは。ありがとうございます。』と声をかけられる。そんな九州が育んだ『人』こそが、今後のキーに成ると思う。

 

<<中田氏発言要旨>>

■九州にはアイデンティティを感じる。例えば、東京で、色々な場面で『お前も九州か、あなたも九州か』とそれだけのことで意気投合する風景を至る所で目の当たりにする。JCにしてもすごい仲間意識を感じる。これは、他の地域にはない大変な強みである(例えばお前も関東か?とは盛り上がらない)。もっと、生まれながらに醸成されたこの九州アイデンティティを自覚すべき。

■日本のゲイトウェイとしての九州。コンベンション・観光・金融の3点で産業構造の変革を起こして行く事を考えていくべき。例えば、東京から3時間の距離には2500万人?しかいないが、九州の場合は1億人である。日本のゲイトウェイとして必ず機能できると思う。※どのような基準での人口対比か確認できず。

■九州は『一州』。九州全体で価値を作れば良い。余り外は気にせず九州の中で楽しんで価値を高めていけば良い。

■道州制の実験を道州制特区として北海道で実施しているが全然うまくいっていない。道州制の実験は九州で行うべきと考える。

 

<<新浪氏発言要旨>>

■ポイントは環境・医療福祉・観光であると考える。例えば医療については、高度医療をアジアの方々に提供するというような広義な考え方も持てる。

■アジアの舞台にもっと九州人は出て行くべき。九州の人口1300万人、GDPは4億USドルであり世界17位に相当する。これはベルギーやスウェーデンを凌ぐ規模である。それだけの力を持っているのである。

■カーボンオフセットが叫ばれる世の中、真剣に原子力の平和利用を考えるべきと思う。21世紀の今、人類は未だに化石燃料を奪い合い、戦いを続けている。世界でただ一つ武力としての原子力による悲惨な過去を持つ日本だからこそ呼び掛けられると思う。

■中国も含めて内需。やはり九州にとって東アジア全体が内需であり、その中心が九州であり続けるという努力が重要。

■自分達の描く九州像を自分達で作り上げる努力が必要。行動を起こすべき。

 

<フォーラム第2部>ブータンに学ぶ心の豊かさ

講師:ジグメ・ティンレー 氏(ブータン王国首相)

ナビゲーター:ペマ・ギャルポ 氏(桐蔭横浜大学大学院教授)

 

■GNH(国民総幸福量)という価値観の下、72の変数で国の成長を多面的に測定している。

■幸福の2つのニーズは『物』『心』。

■日本の社会も幸せを求めているはず。

■リーダーシップの質を変える必要がある。

■我々ブータンと日本の二国民は同じ黄色人種であり、宗教等の面でも大変関係がある。

■我々は物事を進める上で長期的な視野を忘れていないか?

■人々が幸福を感じる為には予測可能に(先が見通せるように)すべきと考える。

■GDPやGNP至上の考えは『もっと多くのものを持ち、消費すること』を善とする事である。そのことの誤りに早く気付く必要がある。

■例えば世界同時不況、地球温暖化、貧困・飢餓などの問題はそれぞれ個別に対策を考えるのではなく、それらが根本のところで関係している事を良く洞察すべきである。

■ブータンは次の4つの柱(@経済的発展A環境保護B文化の継承C良い統治)に基づいて政策を考え、更に9つの分野の72の変数で成果を測定している。GDP至上でなく、何がほんとの価値なのか価値観の転換を進めている。富と繁栄の再定義が必要。

■成長モデルが揺らぐ中、GDPベースでのぼりつめた日本だからこそ感じる痛みは深い。

鈴木オサム氏?のいうようにイヤなことを先延ばしにしない事が重要。

■日本はその独特の国民性により過去にはGNHを実践してきた国だある。

■意識的に幸福を追求すべき。幸福は与えられるものではなく感じるものである。

■人々の幸福には2つあって、あるものそのものに感謝する静的なものと、自己が成長していくという動的なものがある。どちらも大変重要である。


 

【大会式典:3010:0012:30

 

<第1部 講話>アジアに開かれた九州の可能性

講師:孫 正義 氏(ソフトバンク株式会社 代表取締役社長)

 

はじめに 創業の精神

■SoftBankのロゴに込めた思い、それは海援隊の精神。

■佐賀県鳥栖市の無番地の戸籍(国鉄の土地に不法でバラックの家を建て住んでいた過去)。幼少期、とにかく苦しくて辛かった。祖母がリヤカーで近所の残飯を集め、それを餌に豚を養っていた。

■人から大きな石を投げられ頭から血が流れたこともあった。なんでそんなことをされるのかわからなかった。成長するにつれて在日韓国人としての苦しみであることがわかってきた。

■中学くらいの時、すごく落ち込んで大変暗かった。しかし、その当時九州大学の学生だった家庭教師の先生がある本を紹介してくれた。司馬遼太郎の『竜馬が行く』である。竜馬の生き方に触れ『自分はなんてつまらないことで悩んでいるのかと恥ずかしくなった。又、単なる金、金という生き方でなく、利他を通して仕事をしてすがすがしく生きていきたいと思った。

■若いからこそ正面から取り組み、努力を惜しんではいけないと心に決めた。

 

1.ソフトバンクの生い立ち

■留学先のカリフォルニアで出会った『マイクロプロセッサ』の衝撃。

■19歳で立てたライフプラン、20代で名乗りを上げる、30代で軍資金(1000〜2000億)、40代で一勝負(1〜2兆※借り入れによる買収は打ち止め)、50代である程度事業を完成させる(無借金)、60代で次世代へ継承。このライフプランは一度も変えていない。

■1980年、福岡市雑餉隈に日本ソフトバンクを設立、資本金1000万、社員とアルバイト2名から出発した。初めての朝礼、みかん箱の上で『売上を豆腐のように一丁(一兆)、二丁(二兆)と数える感覚で数えるような会社にしたい』と言いました。冷静に考えてすごい大風呂敷を広げました(それを聞いたバイト2名は1週間でやめた)。しかし、今は売上高2.7兆、従業員約2万人の会社に成長しました。やる以上は1番を目指して行きたい。

■経営方針のうち『群(グン)』について、単一事業ではダメ事業群にすべきである。(ドメインの捉え方、電話会社ではなくIT技術による情報通信革命をおこす会社)

 

2.ソフトバンクの今後

■モバイルインターネットNO.1、アジアインターネットNO.1を目指す。

■パソコンを使うことが格段に減り、モバイルでインターネットをすることが格段に増える。パソコンの利用時間は固定的な側面があるので精々2〜3時間、その中でインターネットをする。しかし、携帯は24時間持っている。その中でインターネットをするのである。

■ソフトバンクは全ての携帯がアイフォン化する事を確信している。例えば、昨年アイフォンを発売した時に他社も新製品を投入したがそれらは全て販売台数が圏外に落ちて行った。アイフォンは1位を堅持し続けている。つまり現在アイフォンを利用している人は先進的な経験で人より未来を先に経験しているのである。

 

3.九州の今後

■これだけは覚えておいて欲しい。『30年後の自社、世の中はどうなっているのか、自分の姿は?ということについて頭がちぎれる程考えて欲しい。←自分の人生は自分で決める。できるだけリアルに、且つ数字に置き換えること。これを考える上での重要なヒントは『中国』。来年GDPで日本を抜き去る『中国』(GDP以外は既に世界NO1)である。

■韓国のサムソン等と話していてハッキリしている事は、彼らにとって中国は国内事業の1エリアとして捉えていることである。ここに九州というアドバンテージを生かさない手はない。

■現時点で、テクノロジーや品質の面ではまだ中国より日本が勝っている。中国国内での日本ブランドの価値は大変なものがある。今何かをしなければ手遅れ。

■元気のない日本。そんな日本を見た時、自分が会社を興したばかりの時肝臓を冒され、余命数年と告げられた時のことを思い出す。金も車も家も何を目的にしようとしても全くやる気にならない自分は、再度『竜馬が行く』を手に取った。そして改めて『家族の笑顔、社員の笑顔、世話になったお客様の笑顔を見たい』と思った。そして、アジアの国の小さな村の子供にとって、それがソフトバンクのサービスであることは知らなくても幸せを感じるような事業を自分達が提供し続けてこそ幸せであると思い頑張ってきた。その後、おかげさまで肝臓は回復し今がある。

■30年のビジョンを示し、『志』を持とう。『志』を持たないで何が面白いか?アジアを制するカギは『志』にあり。『志』ある企業のみ継続できる。高い志を持って正面から取り組むことに躊躇すべき理由はない。